Day-3


ネレイドの拠点は、ワークスの目と鼻の先にあった。
・・ワークスの街の目の前、いくつもの岩山がある中の一つが、旧時代の要塞跡地だったのである。

かろうじて生きていたシステムに守られ、今の今まで見つからずに、目の前という位置に潜んでいたのだ
・・帝国もこればかりは、気が付かなかった事だろう。


レミィが驚いたのはその拠点の存在ではなく、ワークスの街の住民、その全てが実は反乱軍のメンバーだった、という事実だった
さらには全国を走り回る同じ「運び屋」、その半数以上がすでにネレイドに賛同しているというのだ。

レミィはひたすらに驚くと同時に、安心と希望とを持つ事が出来た

・・だから今、全てが終わった後で・・こうして、いつもの店でキールと共にパフェを食べているのである。

「一仕事の後のパフェは最高よねー♪」
「ふむ・・確かにコレは絶品ですね。」
「あんときは睨み付けて悪かったなぁ眼鏡の兄ちゃん、まさかあんたみたいなのが仲間だとは思わなくてよぉ(汗)」
「ああいえいえ、その事は気にしないでください。バレるようじゃ元も子もないですから(汗)」

おっちゃんと周りの運び屋仲間・・いや、今は反乱軍の同志、と言うべきか・・
皆は以前と変わらずレミィに接してくれるし、もちろんキールにも同じように・・
帝国が支配していた頃はこの店だけがオアシスのような状況で、他は人心荒廃しているような印象があった。
・・だが、それは帝国支配をいつの日かひっくり返そうと、なりを潜めていた反乱軍の策だったらしい

今、このワークスの街は・・盛大に沸いている、輝いている。
・・帝国はこの街を見捨て、同じくこの街の帝国兵士を皆「死亡扱い」とした
あっさり見限られた側はたまったものではない、まして元々下の兵達は帝国支配に反感を持つ者も多かったのである
ワークスが完全に「反乱軍の街」になるのも時間はかからなかった。


「・・ところでキールぅ、このCPUって結局何なワケ?・・作戦開始のきっかけになるくらいだからそーとー凄いモンだと思うんだけど。」
「ああ、これですか・・」


・・おっちゃん達も興味深そうに、あたしの持っている小さな透明ケースを見つめている
キールはひととき間を置いて

「それは最終兵器のキーなんです、実際にはMC用ではなく・・「究極の兵器」用のね。」
「究極の兵器?・・・・また安直な~」


・・ケースを危うく落としかけるレミィ
キールが大慌てでそれをキャッチする


「な、なんて扱いをするんですかレミィ!?」
「・・何大慌てしてんの?キーなんでしょ?落として爆発するモンでもないでしょ?」
「そ、それはそうですけど・・」
「そんな物騒なものがあるんなら、その鍵なんかさっさと壊しちゃった方が良いじゃないのさ。」
「それはダメなんです!・・コレはネレイドにとっても切り札になり得るものなんですから・・」

レミィは興味がない、といった様子でまたパフェに戻った。
キールはため息をひとつ・・


「・・ま、とにかく」








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